業務改善を始める前に整理したい3つのこと
新しいツールを探す前に、何を減らすか、いま誰が何をしているか、どこまで試すかを決めます。
この記事でわかること
- ツールを選ぶ前に、まず何を減らしたいのかを一文にする
- 理想の手順ではなく、いま実際に動いている流れを書く
- 全部を一度に変えず、一人か一つの業務で小さく試す
業務改善の話になると、すぐ「何かいいツールはないか」となります。気持ちは分かります。新しいツールを入れたほうが、仕事を変えた感じも出ます。
でも、先にツールを決めると、いまの面倒な手順をそのまま新しい画面へ移すだけになりがちです。入力する場所がExcelからシステムに変わった。でも確認のメールも、紙も、二重入力も残っている。それではあまり楽になりません。
最初に決めるのはツールではなく、次の3つです。
- 何を減らしたいのか
- いま実際にどう動いているのか
- どこまでなら小さく試せるのか
1. 「何を減らすか」を一文にする
「DXする」「システム化する」では、何をしたいのか分かりません。それは目的ではなく、やり方の名前です。
まず、誰のどの仕事を減らしたいのか、一文で書きます。
- 担当者が同じ内容を2回入力するのをやめる
- 申請に必要な項目が足りないまま届くのを減らす
- 毎週、未処理の案件を目で探す作業をなくす
きれいな文章でなくて大丈夫です。「毎回これをやるのがしんどい」くらいから始めたほうが、話が早いです。
2. 理想ではなく、いまの流れを書く
次に、いま誰が何を受け取り、何を見て判断し、誰へ渡しているかを書きます。
ここで困るのが、担当者によって説明が違うことです。手順書には3工程しかないのに、実際はメールで確認して、別の台帳も見て、分からなければ前任者へ聞いている。こういう見えない作業がよく残っています。
まずは通常の流れを書き、そのあとで次を足します。
- 入力するもの
- 判断する条件
- 終わったと分かる状態
- 差し戻しや例外
「本来こうするべき」はいったん横へ置きます。事実と理想を混ぜると、何を直すのか分からなくなります。
3. 全部変えず、一つだけ試す
いきなり全員の仕事を変えると、失敗したときに戻せません。調整だけで疲れて、改善そのものが嫌になります。
最初は、一人か一つの業務で十分です。対象者、期間、使うデータ、うまくいったと判断する条件を決めます。問題が出たら元へ戻せるように、いまの手順も残しておきます。
たとえばFormsを試すなら、いきなり正式な申請を全部移すのではなく、個人情報を含まない簡単な受付から始める。Power Automateなら、複雑な承認フローより、回答が来たことを担当者へ知らせるところからでいいです。
小さく始めるのは、弱気だからではありません。動くものを早く見て、ダメなところを直すためです。
まず、今日やること
いま面倒だと思っている仕事を一つだけ選び、次の形で書いてみてください。
誰が、何をするとき、どの作業に時間を取られているか。
その一文が書けたら、次を確認します。
- 課題は関係者の間で同じ意味になっているか
- 例外処理と責任者が明確か
- 導入後に測る指標が決まっているか
- 個人情報や機密情報の扱いを確認したか
ここまでできてから、Excelでいくか、Microsoft 365を使うか、別のSaaSを探すかを考えます。ツール選びは、そのあとで十分です。
この記事は、業務改善の進め方を一般論として整理したものです。特定企業での導入実績や効果を示す記事ではありません。